キューライス記

1985年生まれの男。漫画、イラスト、アニメーションなどを描きます。お仕事のご依頼はこちらのアドレスにどうぞqraisqrais@gmail.com。       キューライス制作の短編アニメーション「鴨が好き」公開中https://www.youtube.com/watch?v=48-RA4BNXVc

「ウサギと行く東京ディズニーランド⑦~ホテルのタオルと男の握手~」

17時、我々はトゥーンタウンへ向かう。

トゥーンタウン、文字通りトゥーンたちの住む街のことでロバート・ゼメキス監督の傑作「ロジャー・ラビット」に登場する。

図らずもウサギを連れた私、気分はロジャー・ラビットを連れて歩くエディ・バリアントである。ちなみの少し前までここで売っていたのポップコーンのコーンポタージュは私の一番のお気に入りのフレーバーだったが…今はもうない…。

私たちは「ミッキーの家とミート・ミッキー」に並ぶことにした(スタンバイ60分)、ここではあのミッキーマウスの家が一般公開されており、さらに奥へ進むと仕事中のミッキーが休憩時間を利用して会ってくれるというもの。

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多忙であるにも関わらず、ゲストとの触れ合いを拒まないミッキーのプロフェッショナルな姿勢に思わず涙ぐむ。並んでいる間もミッキーの住まいを観察できて退屈しなかった。

ふと、さりげなく掛けられたタオルに目をやるとそこには「TOONTOWN HOTEL」と書いてる。つまり、ミッキーが滞在先のホテルのタオルを持ってきてしまったということだろうか、もしそうだとしたらまるで立川談志師匠みたいだ。

ミッキーほどのスターがホテルのタオルを…そう思うとまた目頭が熱くなる。

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60分弱の時間を経て、我々はようやっとミッキーに拝謁することが叶った。

ミッキーは極めてミッキー然とした燕尾服を着ていた。私の前に並んでいた女子四人組がそれぞれの、それもかなり高額な一眼レフで撮影するのを待って、私たちの番が来た。恥ずかしいことに私のカメラといえば二束三文のコンデジだった。

 

それにしても、日本が「バスに乗り遅れるな」のかけ声のもとに、あの悪夢のような日独伊三国同盟を締結したような時に「ファンタジア」に出演なさっていたような世紀をまたぐ大スターを前に、私は完全に縮み上がってしまった。

そして、なぜか拳をまえに突き出したやけに男らしいポーズでの写真撮影となってしまったし、撮影後の握手もエナジードリンクのCMに出てくる筋骨隆々の男達みたいな、極めて男らしい握手となってしまった。

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ところで「ジェシカ・ラビットの家とミート・ジェシカ」なんてアトラクションがあったら、鼻の下を伸ばしたお父さん達で長蛇の列ができるのではなかろうか。

 

つづく