ウサギと行く東京ディズニーシー⑤〜牛肉皿とほんとうの自由、肩めこの危機〜
「ファッショナブルイースター」を見終えた我々は空腹を覚えたので遅めの昼食をとることにした。
ロストリバーデルタに戻りミゲルズ・エルドラド・キャンティーナを訪れた。
実は初めて入る店だ。
一攫千金を夢見てこの地を訪れた人々の憩いの場であるここは、タコスやトルティーヤなどのメキシコ料理が食べられる。
私とウサギは1580円のビーフプレートのセットを注文した。
もし日常生活でこのお値段のランチに出くわしたら「中川!帰るぞ!」と息巻いて店を後にするところだが、ディズニーリゾートにいる間だけは無制限にお金を使うことに私は決めている。
スパイシーなトマトソースのかかった牛肉は思った以上にしっかりメキシコしていたし、ソンブレロをかぶったドナルド・ダックを模った飯とトルティーヤも可愛らしい。私とウサギは無言でムシャつき、アイスコーヒーを啜った。
ところでよく「友達や恋人とじゃなくて、ウサギなんかと一緒にディズニーに行って楽しいんですか?」と訊ねられるが、
正直に言えば、楽しい。
ずっと半笑いだ。
友達や恋人と行くと、結局のところお互いに気を使って自分勝手で自由なディズニーができない。
しかし、その点ウサギと行けばほんとうに自由に園内をウロつけるというもの、気を使う必要は無い、だって一緒にいるのはただのウサギなのだから…。
なんの目的もなくSSコロンビアの甲板に上がってぼーっとしてたら、彼女に「私といるとつまらない?」なんて言われる…、そんな心配もない。
人の目が気になるという人もいるが、まわりのゲストたちは各々が楽しむことに夢中なのであって、ウサギと来ている人のことなどなんら気にしてなどいないのだ。
腹を満たして外に出る、ふとこの店の下で行われているドナルド・ダックのグリーティング「サルードス・アミーゴス」が気になり、柵から身を乗り出して下を覗き込む、時々、ちらりとゲストと写真撮影に興じるドナルドの姿が見える、
もう少し乗り出してなんとか見ようと試みる、
ふと気がつくと自分の両サイドにチップとデールが来ていて、「お前は何を見ているのだ」というようなジェスチャーをされて嬉しかった。
ポートディスカバリーでは「Mr.インクレディブル」のスーパーヒーロー、ボブに遭遇した。
せっかくなので写真撮影をお願いすると、キャストの方に「もう少し広いところへ移動します」と言われそこまで移動することになった。
すると、ボブにむんずと肩を掴まれ、そのまま歩き出した。
貨物列車を片手で持ち上げる怪力の持ち主であるボブである、逆らったら肩を「めこっ」っとされること請け合いだ。
私は大人しく肩を組み、二人で数分ほどポートディスカバリーを闊歩した。
私、ウサギ、ボブの三人で記念撮影。こうしたキャラクターとの触れ合いもディズニーリゾートの醍醐味であろう。(このあとボブは外人の赤ちゃんを号泣させていた)
つづく
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