やさしい竹取物語
今日は金曜ロードショーで高畑勲監督の「かぐや姫の物語」が放送されますね。
それにしても、なぜ竹から財宝が大量にあふれ出したのか。月の住民の仕業なのだろうけど、その意図はなにか。
私は翁に対して課した試練だったのだと思います、翁は「これは姫を姫にふさわしい暮らしをさせるようにという天からの思し召し」と思い込み、都へ引っ越すことを決意するが、もし、この4コマ漫画のように姫の心を汲んでいたらどんな結末を迎えただろうか。もしかしたら、姫は天寿をまっとうするまでこの地に止まりたいと思ったかもしれない。
月の住民は地球の人間が欲や地位、権力の虜であることを疑わないからこそ、大量の財宝を翁に送りつけた。それを目にした人間が姫をどう取り扱うかもお見通しだったのかもしれない。
竹から切ったばかりの姫が赤子ではなく、十二単を纏った高貴な姿をしているのも「姫を都に連れて行かせ、俗世の渦に巻き込ませる」ための月の人間の罠だったのかもしれない。
月の人にとっては罪人であるかぐや姫は地球で人間の浅ましさに翻弄されて絶望し、月へ帰りたいと思わせ反省を促したいのであるから、かぐや姫は山でのんびり天寿を全うするわけにはいかないのだ。
翁は姫という一番の宝物があるにもかかわらず、他の財宝に目がくらみ、姫の気持ちも考えず、結果としてかぐや姫に都で辛い目に合わせ、「月に帰りたい」と思わせるに至ってしまい、最愛の娘、宝を失ってしまうのだ。
でも、もしかしたら高畑監督の持つ農本主義と竹取物語の話の流れが合致しただけなのかも…。
高畑勲、『かぐや姫の物語』をつくる。~ジブリ第7スタジオ、933日の伝説~ [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2014/12/03
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (3件) を見る