ウサギと行く東京ディズニーシー⑥〜当選男はグーフィーがお好き、荒ぶる神の怒り添え〜
そのあと、私たちは何をするでもなくボーッと水上を揺蕩うアトラクション、アクアトピアを楽しむ人々をじっと観察して楽しんだりした(我々は乗らない)。
こころから楽しんでいる様子のゲストを遠巻きに眺めていると、なんだか穏やかな気持ちになれる。
15時25分、またしてもアメリカン・ウォーター・フロントに舞い戻り、ライブショー「ビッグ・バンド・ビート」が行われる劇場を訪れた。
「ファッショナブル・イースター」を観る前に抽選機で見事に当選、E-1-8という素晴らしくいい席を引き当てたのだ。
この抽選はなかなか当たりを引けないことが有名で、
私の知人などは外れたときの「てぅるるるるぅん」という音を聞いただけで守備力がぐっと下がるらしい。
私とウサギは得意げに座席指定券をキャストの方にかざしながら、ものすごく内装が立派なブロードウェイ・ミュージックシアターに入っていった。
昨年に大幅なリニューアルを果たしたばかりのショー、さて如何なものか。
…見 終わった感想を端的に述べるならば。
最高
この一言に尽きる、とくにグーフィーが素晴らしい。
あの長身で繰り出す華麗なステップと流麗な動きはまるで全盛期のキャブ・キャロウェイ。(グーフィーは恐れ多くて描けないのでキャロウェイにしてあります)
生歌、生演奏なのもこのご時世いかにもリッチだし、ミッキーのドラム演奏は石原裕次郎よりも男前だ。
ディズニーシーの安くはないパスポート料に不満を持つ人がいるならば、是非、このショーを見てから言って欲しい。
きっと元が取れるくらいの感動を手にすることができるだろう。おすすめだ。
もちろん抽選に当たればの話ではあるが…。
30分のショーで両手のひらが痛くなるくらい拍手した、私とウサギはまたあてもなく歩き出した、「タートル・トーク」のプレビューチケットは18時から、時刻は16時半。
散歩がてらアラビアン・コーストへ向かってみる。
映画「アラジン」の世界が広がるこのテーマポートは文字通り中東。
そして、おそらく地球上でもっとも平和な中東であろう。
人々はカレー味のポップコーンを食べたり、王子王女との写真撮影に夢中だ、あの悪の魔術師・ジャファーでさえも小さな子供との記念撮影に快く応じている(あごのところのブツブツがちょっと怖い)。
そのままアラビアン・コーストを抜けて、ロストリバー・デルタに出る。
ふらっと「レイジングスピリッツ」というジェットコースタータイプのアトラクションに乗ることにした。
このアトラクションもシングル・ライダー制を施行していて、一人ならば問答無用で待ち時間なしでサクッと乗れるのだ、ウサギにはまたしてもぬいぐるみのふりをしてもらい、あっというまに滑車に乗り込みバーを肩に下ろす。
火の神と水の神の石像を向かい合わせにしたところ、神の怒りが発動、貨車のレールが360度曲がり、火が出たし、風も吹いたし、水も出たらこんなアトラクションになったそうだ。
正面に鎮座する火の神イクチュラコアトルの石像は迫力があって素敵だ、
「愚かな人間どもめ!我が怒りと憎しみを知るがいい!」なんて言いながら動き出してくれたらいいのに。
なにはともあれ、ランドとシーを合わせても乗り物が垂直に一回転するのはここだけ。32歳にはなかなかキツイGがかかる、しかし、それが楽しかったりする。
つづき