「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」
本日発売。
言わずと知れた「スター・ウォーズ」シリーズのスピンオフ第一弾として製作された本作は、名もなき「はぐれ者」たちの活躍を描いた作品だ。
「エピソード4 新たな希望」で重要なアイテムとなる「デス・スターの設計図」、作戦指揮官がブリーフィングで「これを手に入れるために多くの仲間を失いました」と語るに止めていた、その「多くの仲間」のうちの数人が主人公のこの映画。
監督するのはスター・ウォーズ、ゴジラ大好きオタク監督ギャレス・エドワーズ。
正直、前半の展開は非常にテンポが悪く、冗長だった。
歴戦の武断派ソウ・ゲレラ(フォレスト・ウィテカー)を巡るやりとりも、彼がどういう戦いをしてきたのかが描かれない為に、激戦の為に人間不信に陥ってしまったことがうまく飲み込めない、主人公ジンの育ての親という設定なのだが、そこのやりとり、人間味のある部分をしっかり描かない為、ゲレラという人物にまったく感情移入できない。
感情移入できないために、彼が死んでもまったくなんの感慨も湧かない。
というわけで、名優フォレスト・ウィテカー演じるこの重要人物の印象は、気味の悪い嘘発見機動物をけしかけてくる厄介なおっさんだ。
しかし、最後の3分でこの映画の評価はガラッと変わった。
むしろこの3分を見るためだけにお金を払う価値は十分にある。
この三分が見たいがためにBlu-rayを買ってしまうそうな気さえする。
以下ネタバレあり↓
それは暗黒卿・ダースヴェイダーが設計図を取り戻そうと次々に反乱軍の戦士をなぎ倒していくシーン。
その圧倒的な強さと恐ろしさ、ジェダイが不在の反乱軍にとってフォースの使い手にして最強のシス、ダースヴェイダーがどれほど恐ろしい存在なのか、この数分で理解できるし、その恐怖があるからこそ、それに立ち向かう「希望」の尊さが際立つというもの。
というか、単純に格好良い。
男の子は黒くてツヤツヤしてて強いものが文句なしに好きなのだ。ほら…カブトムシとかもそうだ。
暗黒のなかに一瞬の音楽のブランク、例の呼吸音が不気味に響き、そこに突然赤いライトセーバーが発光、絶望的な音楽とともに始まる大殺戮。
この監督の前作「ゴジラ」での放射火炎の描写といい(威力は別として)、ファンの喜ぶ演出をちゃんと理解しているのは素晴らしいところだと思う。
ありがとうギャレス監督。
よく考えたらスター・ウォーズシリーズ(映画版)においてダース・ヴェイダーがルーク以外の人間に剣をかざすのは初めてのこと(フォースによる圧死はあるにしても)。
そう考えると、心なしかヴェイダー卿に斬られる反乱軍役の役者達も嬉しそうに見えてくる。
だってヴェイダー卿に斬り殺される役なんてなかなか巡り会えるものではないのだから…。
心の中で「うはぁ!俺、ヴェイダーに斬り殺されてる!」なんて思っていたのではないだろうか。
ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー MovieNEX(初回限定版) [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2017/04/28
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (3件) を見る