ラボ・パーティー
私は物心つく前から高校生の頃までラボ・パーティーに在籍していた。
ラボ・パーティーとは英会話教室のようでいて全くそうではなく、テューターと呼ばれる先生の家に集まり、英語と日本語で世界各国の物語を演じたり、友達とともにフォークダンスを踊ったり、夏や冬にはキャンプに行ったりして「生きたコミュニュケーション」を学ぶというもの。
基本的に人見知りで引っ込み思案な私だけど、ラボをやっていたお陰で最低限の社交性を獲得できたのは自分の人生にとってかなり大きい、もしラボをやってなかったら完全に社会不適合者になっていて、今頃、薄暗いゴミだらけの部屋に引きこもってインターネットに「◯◯が超絶劣化www」みたいなくだらない書き込みをしていたかもしれない。
私の思春期や青春の大部分をラボが占めていて、そこで私が経験した良い感情や悪い感情が今の私の土台となってくれているように思う。
天井がびっしり虫で覆われていた平郡島の旧小学校でのキャンプ、干し蛸作り、飯盒炊爨、豪雪の蔵王、中一の頃に行った1ヶ月に及ぶメイン州でのホームステイ。
親にしてみたらバカにならない負担だったのだろうけど、それに見合うだけの価値のある経験ができたように思う。
ラボで忘れてはならないのが「テーマ活動」。
「ドン・キホーテ」「西遊記」「不思議の国のアリス」などなど古今東西、様々な国の物語をCD(私が小さい頃はラボ機というなの専用機械)を聴いて、英語と日本語で覚え舞台で演じるのだ。
演技力を競ったり、英語の発音の良し悪しを採点したりするわけではなく、物語について仲間とともに多角的視点で取り組むことに意味があったように思うし、小道具を使わずすべて体で表現するのも楽しかった。
しかし、発表会だけは嫌だった。台詞を覚えるのはまだしも、大勢の前で何かするのが嫌いな私にとってこれは非常に大変なことだった。
しかし、この大変な経験があったればこそ今、私はなんとか人前でわりとまともに話ができるのかもしれない(そういうシチュエーションを避けようとする姑息さはあるにしても)
もし、お子さんに最低限の社交性を担保させたいのならラボ・パーティーに入れることをおすすめします。私みたいな変人になるかもしれないけど、悪人にはなりにくいように思いますので…。