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キューライス。

1985年生まれの男。漫画、イラスト、アニメーションなどを描きます。ご質問、ご依頼はこちらのアドレスにどうぞqraisqrais@gmail.com。       キューライス制作の短編アニメーション「鴨が好き」公開中https://www.youtube.com/watch?v=48-RA4BNXVc

「真田十勇士」

私は「真田十勇士」を見ながら、2001年公開の忍者映画「REDSHADOW~赤影~」を思い出していた、思えばこの映画は私が生まれて初めて、映画館を途中退場したある意味思い出の映画。それくらいつまらない映画だったのだ。

それ以来、忍者ものの映画にはちょっとした苦手意識を持っていたのだったが、そうそう忍者映画を見る機会などなかったので、うっかり忘れていたのだ。

 

なぜかアニメーションで始まる冒頭部分から私の数時間に渡る苦痛の時間は始まったのだった。アニメでやるのはいいけど、そのアニメのレベルが劇場用とは思えないような酷い出来なのが頂けない。

同じく実写映画でありながらオープニングを小池健氏によるスタイリッシュなアニメーションで構成した「PARTY7」とは雲泥の差。

 

中村勘三郎の「面白ければ命をかけるぜ!」なジャンプの少し前の主人公的なキャラクターも、おチャラけた大げさな演じ方も、舞台では通用しても、演者のリアルな感情が濾過されるスクリーンの上ではどこか上滑りして見える。

魚屋宗五郎」や「高杯」などで魅せる、平成中村座の大看板を背負う勘九郎の美しくも力強い立ち姿はそこにはなく、ただの薄ら寒い笑わせ屋になっていて悲しくなる。

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お金をだいぶかけたように見受けられる大阪の陣の合戦シーンも、冬だろうが夏だろうが同じパターンの繰り返しで目新しさは無く。そこに忍者フィクション独特の非現実的ニンジャ・アクションが追い打ちをかける。

多大な犠牲を払いながら徳川家康の本陣に斬り込む、真田信繁、大介親子を悲壮に描いたところで、その上空を霧隠才蔵が謎の航空力学によって、ビュンビュン飛んでいてはまったく感動できない。

お前が家康の陣に一人で突っ込めばよかっただろ、となってしまう。

 

極め付けは十勇士が一人一人息絶えるたびに「筧十蔵絶命」とご親切にテロップが載るのだ。もし、作品全体が荒唐無稽なギャグを連発するだけの映画ならそれで爆笑できたかもしれないが、中途半端にこの映画はシリアスで、感動を押し付けてくるから、観客としては笑えばいいのか泣けばいいのかよくわからなくなってしまう。

この監督が「七人の侍」を演出すると、「林田平八絶命」といちいちテロップを載せるのだろうか…。

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舞台版も拝見済みだが、随所にちりばめた荒唐無稽なギャグが劇場版ではかなり抑えられてしまっていた。その結果、どっちつかずな中途半端な映画になってしまった感が否めない。

文句を言いだすとキリがないのでここで止めにするが、間違いなく本作は今年観た映画の中でワーストワンだった。

なんとか良かった点を書こうとしても…、まったく良い点が思い出せない。

 

…私ごとき御法度の裏街道行くしがない短編アニメ作り風情がこんな偉そうなことを書いてしまって、少し後悔している…。この映画が好きな方には申し訳ない…。

 

 

 ↓オープニングが素敵。

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