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キューライス。

1985年生まれの男。漫画、イラスト、アニメーションなどを描きます。ご質問、ご依頼はこちらのアドレスにどうぞqraisqrais@gmail.com。       キューライス制作の短編アニメーション「鴨が好き」公開中https://www.youtube.com/watch?v=48-RA4BNXVc

「シン・ゴジラ」

小学生の頃に平成ゴジラシリーズ黄金期を過ごしていた私にとって「ゴジラ」は特別な存在。そして、10歳のときにメルトダウンして塵になるゴジラを劇場で観て涙を流して以降はすっかりゴジラ熱は冷めてしまった、だから「ゴジラデストロイア」以降のゴジラシリーズはあまり記憶にない。

そんな私が久しぶりに日本製ゴジラに再会してきたが…。

 

以降、映画の重要なネタバレあり。まだ鑑賞していない方は見ないでください。

 

 

 

 

 

 

 

 

正直、庵野秀明樋口真嗣両監督の手がけた実写映画がどれもあまり好きではなかったので、内心あまり期待しないで観に行った。しかし、いい意味で期待を裏切り、とても面白い「怪獣」映画だった。大好きな市川実日子も相変わらず可愛かった。

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まずはなんといってもゴジラとのファーストコンタクト、「え?ゴジラじゃないじゃん!」と叫びたくなるような巨大なヌメヌメした動きのえら呼吸生物が登場したときには腰を抜かした。そして、その生物が急速な成長を遂げて、徐々に見慣れたゴジラの姿に進化する様をみて、これは自分がこれまで慣れ親しんだゴジラとはまったく違う生き物なのだと思い知らされた。

 

ゴジラで欠かしていけない大切なファクト、それは「放射火炎」。

ゴジラがただの巨大な恐竜じゃない所以といえばそれはやはり口から吐き出す熱線なのだ。

以前、ハリウッドで作られたメタボ・ゴジラのスルメを炙るようなヒョロヒョロ放射火炎をはるかに上回る、いや、歴代ゴジラ最強とも言われるデス・ゴジラの赤い放射火炎を上回るほど素晴らしい威力描写の放射火炎だった。

紅蓮の炎を徐々に収束させて高出力のビームにするプロセスがとにかく格好いい、この描写にはアメリカの大きなお友だちも「これだよ!」と言いたくなることだろう。

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しかし、この放射火炎の描写は既視感がある、そう以前庵野監督が実写化した「巨神兵」の吐き出すプロトンビームそっくりなのである。よく聞くまでもなくエヴァシリーズの音楽もそのまま使用されており、映画は予想以上のエヴァ密度。

最後の作戦の描写などはそのまんま「ヤシマ作戦」であり、ゴジラがミサイルをビームで自動迎撃する描写も「新劇場版エヴァ」のラミエルのそれであった。

ただ、そこまではいいにしても、映画の最後の最後…ゴジラの尻尾の先っちょからあいつらが生まれようとしているっていうのはちょっと引いてしまった。

きっと生粋のゴジラを求めて映画館に詰め寄せた大きなお友だちは「こんなのゴジラじゃない!」とシュプレヒコールの雨を降らせることだろうが、でも、こんなゴジラがあってもいいじゃないかと私は思う。だって強くて、格好いいって正義だもの。

 

映画全体の作りとしては現実の日本で、実際にあのような災害が訪れたらどのような対応がなされるのかがリアルにかつスピーディーに演出されていて面白かった。ただ、リアルにやるのであれば徹底してリアルにやり遂げて欲しかったが、うさんくさい石原さとみが出てきたところから急に現実感が薄れていく。

 

最終作戦では爆薬で横に倒したゴジラの口に、たくさんのポンプ車から冷却液を投入することに成功するが、移動もしないし放射火炎も吐かない壊れた原子炉建屋に水を注ぐことすら出来なかった国にそんなことができるはずもない。

ゴジラが踏み荒らした荒地も放射線もものともせずに、ゴジラの口にホースを伸ばす、あのポンプ車がメーサー光線車と同じレベルの虚構なんだと気づき寂しい気持ちになってしまった。

ろくに地面すら凍らせること(凍土壁)のできない私たちに、ゴジラを凍らせることなんてまず不可能なのだ。

 

 

でも、映画の出来には大満足、Blu-ray購入リストに早速加わった。楽しみだ。願わくば「風の谷のナウシカ」のように庵野監督のマニアックなコメンタリーが付くことを切に願う。

 

それから一緒に観に行った友人のうさぎが上映後、こんなことを言ってました。

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↓欲しい…