歯茎検査
空襲と歯医者が嫌いなキューライス。
年に一度の検診は私にとっては清水の舞台から飛び降りるくらい勇気がいること。それでも健気に検診を受けるのは、受けなかったら受けなかったで「もしかして深刻な虫歯が着々と進行しているのかも…」という不安で頭がいっぱいになるからだ。
ガタガタ震えながら歯医者で検診を受ける。
どうやら虫歯は一本もなかった(4年間1本も虫歯は発生していない)、そして、続けて歯茎検査を受けることになった。
細い針のようなものを歯茎と歯の間に入れて隙間の深さを計るのだ。細い針のようなものが目の前に来た時点で、三条河原に着いた石田三成のような心持ちになったが検査はまったく痛くなかった。
一人の歯科衛生士さんが私の歯茎を一本一本検査していく、おそらく「2mm」という意味であろう「にぃにぃにぃ」と呪文のようにつぶやく(ときどき3)、もう一人の歯科衛生士さんはその結果をカルテに書き記しながら「はい」と言う。
目隠しをされながら「にぃにぃにぃ」「はい」「にぃにぃにぃ」「はい」という言葉を聞いていたら…
なんだかにぃにぃ語を話す謎の部族に捕まった探検隊のような気持ちになった。
その後、地獄の三丁目のような歯石除去作業で、ズボンまでぐっしょりと汗で濡れたのはまた別の話…。