舞台「ミュルミュルミュール」
珍しく舞台を観に行きました。
かのチャップリンの三女ヴィクトリア・ティエレ=チャップリンの演出による「ミュルミュルミュール」。演ずるのはその娘、つまりチャップリンの孫、オーレリア・ティエレ!
引っ越しの片付け作業をしていた女性が、どんどんシュールな世界にトリップして行く不思議な、いや、ふしぎぃ〜な舞台でした。どれだけ不思議かはこのイラストを観て想像してください。
アクロバットや、手品、欽ちゃんの仮装大賞のようなイリュージョンがそれを主張しすぎず、あたかも当たり前であるかのように繰り広げられるので好感が持てた。
極力言葉を使わず、音楽と身振りのみで見る者の想像をかき立てる演出も良かったが、中盤で男性が「アリガトゴザイマース!」と言うのは如何なものかと思った。せっかくフランスの片田舎の夢に浸っていたのを、いきなり三軒茶屋に引き戻されたような思いだった。
それでも、上演時間中休まる事なくまるで夢を見ているような、異空間に誘ってくれました。白昼夢というものがどんなものかと言えばこの「ミュルミュルミュール」みたいなものなんだと思います。
素晴らしい舞台だった。
ところで私の隣の席は幼児を抱いたお母さんでした。「こんな見るからに難解そうな舞台を幼児が数時間耐えられるのかな?」と上演前すこし心配しましたが、始まりから終わりまで、騒がず泣かず眠らず、ちゃんと観劇していて私はちょっと感激した。(前の列の小学生は熟睡していた)
未来の寺山修司か…。