落語「酢豆腐」

あらすじ

暑いさなか、長屋の若い衆が集まって酒の肴をどうやって安く手に入れるかの相談事。ふとした話から昨夜の豆腐が余っていることを思い出すが、取り出してみるとこれが見事に腐っている。

そこへたまたま通りかかったのがみんなの嫌われ者、キザな伊勢屋の若旦那。長屋の連中は若旦那をおだてて腐った豆腐を食わせようとする…。

暑くてじめじめしたこの時期に聴きたい古典落語。上方では「ちりとてちん」という名前の噺。志ん朝の「酢豆腐」では気障な若旦那の黄色い声が面白い、「どぉれ、ちょいとぉいつふくしよぉかネェ」（どれ、ちょっと一服しようかね）、語尾が上がるとまるで地下鉄のカーブするときの音がします。

本来であれば酢豆腐を必死に食べる若旦那の所作が見たいゆえ、CDではちょっとだけもの足りない。

志ん朝復活-色は匂へと散りぬるを は「酢豆腐」「鰻の幣間」